【ライブレポート】
AKARAワンマンライブ
Crush the Rules!!

2018年11月15日、渋谷のTSUTAYA O-WESTにて邦楽ロックバンド AKARAの5thワンマンライブ”Crush the Rules !!”が開催された。本日はAKARAさんより提供いただいた素晴らしい写真と共にライブの様子を紹介。

満席のO-WEST

4thワンマン”CROSS BORDER”から約1年ぶりとなった今回のワンマンライブ。かなりのキャパを持つO-WESTでの開催だったがチケットはSOLD OUT。会場は二階席まで満席となり大いに賑わっていた。

O.A 奏手候

オープニングアクトは京都発の語りべ和ロック楽団”奏手候”、和楽器を使わないという和ロックバンドという一風変わったバンドである。

和風な服装がとても目を引くが、演奏は想像をはるかに超えた世界観で和の世界というものがしっかりと表現されていた。その世界観は見るものを一瞬で魅了する雰囲気だ。特にボーカルのお優美さんのパフォーマンスには迫力と美しさが見事に融合しており素晴らしいかった。

AKARA、推参

奏手候のアクトが終わるとAKARAが登場。会場のボルテージは早くもMAXとなった。AKARAはこの日アンコールを含む全19曲披露した。

前半は怒涛のリスト。STORMを始めとしたBeatと迫力満載のAKARAサウンドが会場に押し寄せる。重低音や重みのある演奏が難しい和楽器で、AKARAの持つロックな重みはトップクラスだ。

和楽器の音を保ちつつ質量を感じさせてくれる演奏は身体の芯まで届いて心まで熱くさせてくれる。

ライブ中、とあるシーンが目に留まった。それはボーカルのMIKIKOさんを始めとするメンバーが一階だけでなく二階にも掛け声を送っているシーンだ。観客一人一人を大切にしようというAKARAの気持ちがとても分かるシーンである。

こういった気遣いがAKARAが老若男女問わず多くの人に支持される秘訣なのだと実感した。

中盤に入ると箏のTommyさんによる新古典曲が披露された。娘道成寺と新娘道成寺を新たな解釈で生み出した曲とのことだ。Crush the Rulesという今回のライブにふさわしい挑戦である。

古きものも大切にしながら新しい時代を掴み取る息吹が曲から感じられた。古典の持つ空気感などは残しながらも、どこか取っつきにくい古典から聴いてみたいです古典になった印象だ。

もちろん賛否もあるのかもしれないが、古典も生まれた当時は現代曲であったわけだ。ここから伝統が生まれていくと思うと感慨深い気持ちである。

後半では切なさを感じさせるロックバラード曲”琥珀”、”名も泣き花”も登場。この二曲はAKARAの中でも一押しの曲だ。和楽器の持つ優しさやしっとりした感じとロックの持つ重み、MIKIKOさんの声が見事に融合している。

ロックというとゴリゴリ感というイメージがあるがこういった曲もある。前半の疾走感ある曲からバラードまで、演奏する幅の広さもAKARAの魅力である。

終盤は前半を超えた疾走感で会場が一つになった。YUUさんによる和太鼓ソロではその熱いリズムを身体全体で感じた。”Absolute ZERO”という曲では、ミステリアスな雰囲気とロックが混ざった今までにない世界を見ることができた。

締めくくりは”孤高”。AKARAの1stシングル、スタートでもある代表曲は節目でもある今回のライブのラストにベストマッチだった。孤高という言葉の意味が持つ「高い理想や頂き、境地にいたる」という意味はここまで駆け抜けてきたAKARAにふさわしき言葉だ。最後の最後まで迫力溢れる瞬間ばかりだ。

アンコールでも様々な曲が披露され、最後まで観客を楽しませてくれた。

TAKAさんのマイクパフォーマンスは圧巻の迫力で会場全体が湧き上がり更に会場が一つとなった。そしてフィナーレの陽炎を終え、ライブは最高の空気の中、ライブは終演をむかえた。気づけばあっという間の3時間で、その濃密な時間に驚いた。5thワンマンライブ”Crush the Rules !!”、満足を超えた大満足のライブだった。

今回のワンマンライブからはこれまで以上にAKARAの想いがとても伝わるものだった。それはAKARAだけでなく、ライブをサポートするスタッフからも感じることができた。セットリストの構成から照明や演奏のクオリティなどど、れをとっても楽しむことができるライブだった。

皆で協力して一つのステージを作る。この団結力の強さこそがAKARAなのかもしれない。それがライブに表れるからこそ多くの人がAKARAに惹きつけられる。今回のライブはAKARAが歩んできた道そのものを見ているようだった。

Crush the Rules !!、最高のライブだった。これから先、AKARAがどのような道を歩みどのような景色を見せてくれるのか、それを思うとライブが終わっても胸の高まりが収まりそうにない。

写真 Macoto Miura, Michiyas Suzuki

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