奥田敦也 古典尺八演奏会 ~生音で聴く地無し延べ管尺八~
内容
江戸時代の虚無僧たちが吹いていた尺八は、どのような音色だったのでしょうか?
それは、地無し延べ管(じなしのべかん)尺八の音色です。
「地無し延べ管尺八」とは、管の内部に砥の粉(とのこ)等の地を塗って加工した明治以降の近・現代の尺八とは異なり、竹の節をくりぬいて孔を開けたままの、自然に近い、竹本来の響きを活かした尺八のことです。
この「地無し延べ管尺八」の第一人者であり、尺八古典本曲の教授所である「禅茶房」を主宰する奥田敦也先生の尺八演奏会を開催致します。
『奥田敦也 古典尺八演奏会 ~生音で聴く地無し延べ管尺八~』
・開催日時:平成30(2018)年12月22日(土)18:00開場 18:30開演
・会場:カーサ・モーツァルト
東京都渋谷区神宮前1-10-23 3F
https://casamoz.org/access.html
東京メトロ「明治神宮前駅」出口5から徒歩2分
JR「原宿駅」表参道口から徒歩5分
・入場料:2,000円(会場受付で現金でお支払いください。)
・ご予約方法:yoyaku181222@gmail.com へ、
氏名・フリガナ・予約人数をメールしてください。
・主催:「奥田敦也 古典尺八演奏会」事務局
*席数に限りがありますので、お早めにご予約をお願い致します。
*就学前の乳幼児の入場はご遠慮ください。
江戸時代に虚無僧尺八「古典本曲」としてひとつの完成を見た日本の尺八(音楽)は、中世期から江戸時代にかけて、「ぼろ」と呼ばれた流浪の乞食僧や薦僧(こもそう)、仕官先を失った浪人で半僧反俗の虚無僧たちによって生み出され吹き継がれてきた日本固有の(音楽)です。
(音楽)とカッコ付きで記すのは、江戸時代まで尺八(音楽)は音楽ではなく、禅宗の一派であると主張し江戸幕府から容認されていた「普化宗」において、尺八を吹くことは修行であり読経に類する行為、即ち「吹禅(すいぜん)」とみなされていたからです。
虚無僧の中には愚連隊のような狼藉者も多くいたようですが、一部の虚無僧が吹禅を追究し続けた証として、今日まで150曲以上の「古典本曲」が伝承されています。権力者や富裕層の娯楽や暇つぶしではなく、中世期から江戸時代にかけて、飢餓と貧困と戦乱の地の底から生まれてきた古典本曲は、近代以前に創られた作者不詳の表現主義芸術とでも言うべき、世界音楽史においても類を見ないと思われる独自の完成度に到達しています。
そして、虚無僧が吹いた「地無し延べ管尺八」で、比類なき技量と哲学をもって古典本曲を追究されてきたのが奥田敦也先生です。
奥田先生は生音主義で録音には消極的であるため、これまで市販されたCDは『禅の音 地無し延べ長管尺八』他、数枚であり、この度の演奏会は、奥田先生の古典本曲の独奏を生音で聴く貴重な機会となります。曲目は、奥田先生が演奏会の場で決められます。
半世紀にわたる吹禅の追究と自作の地無し延べ管尺八によって生み出される古典本曲の深遠なる「禅の音」の世界をご堪能ください。